倫理重視のCPM 日本でも350人超が活躍

2017年11月9日 IREM JAPANで開催されたセミナーの様子

 

今回はまた不動産ネタに戻ります。
CPMという制度。耳慣れない人も多いかと思いますが、これはPM(プロパティーマネジメント)業務の従事者に対して、アメリカ・シカゴに本部を置くIREМより与えられる称号とのことです。

そうするとIREМって何?となりますが、創設が1933年で、世界恐慌直後の大不況時代。当時はアメリカ国内でも賃貸管理の決まり事が各地によってバラバラで一定したものがなく、消費者から賃貸管理の信頼が求められていたことが創設の背景にありました。

当初は倫理規定の遵守を管理会社に訴えていましたが、やがて個人をターゲットにすべきと路線変更し、個人向けの倫理規定をはじめとした体系的な教育プログラムを構築していきました。真に倫理的でスキルのある不動産経営管理士の育成を目的とした組織です。

ここまでで長くなってしまいましたが、まだCPMには言及していませんでした。CPMとは、日本語に言い換えると「不動産経営管理士」に近く、IREМが認定した教育課程を修了し、一定の試験に合格した人のみに付与されます。

日本の支部はIREМ JAPANの名称で活動し、現在、国内で350人を超えるCPMが不動産業界で活躍されております。マネジメントプランの作成や収益還元法の実務への落とし込みといった業務に沿った勉強会や、特色のある不動産経営者を講師としたセミナーを通じての交流も盛んです。

日本支部はさらに数支部に分けられていますが、その中の東日本支部でもこのほど、会員向けのセミナーを開きました。講師は、日本支部2代目会長でもあるCFネッツの倉橋社長。精力的に講演されている生産緑地問題についての話で、自分は何度か聞いている内容でした。当然、自社発刊の著書も拝読しているのですが参加されたCPMの方々はほぼ全員、はじめて耳にする話題だったようで、皆さんとても熱心に聞き入っていました。しかも有力業者が多く、日本支部副会長で日管協の会長も務める末永氏もいらっしゃってました。